睡眠のあいだに生きてる

ながい寝言です

告知してみたった

軽く書いてるけど、一応下準備というか、話の展開は考えていた。

 

息子1も春から高校3年生で、進路を考えるにあたって、もうそこを話さない事にはなあーとなって、ようやく。

 

別に避けていたわけではないし、以前やってたブログでもブログ仲間の発達障害を持つお子さんの保護者さん達は、割と支援級や支援学校との関わりもあってか、小学校のうちから話をされていたので、うちもいつか(早いうちに)とずっと考えてはいた。

 

けど、改まって話す機会もないし、本人も一緒に児童心療科に定期的に通ってるくせに

「自分はどうして行かなくてはいけないのか?」という質問もせずに、のほほんと

「え?じゃあ早退してもいいの?昼ごはんは外食?ウハハハw」

という程度にしか考えず、質問もないのでここまで来てしまった。

 

この間、全く、発達障害からくるトラブルが無かったわけではないけども、それらは障害があるからといって、対処の変わるものでは無かったし、学校の先生方も障害のあるなしより、息子自身を見ての対応であったから、あまり意識せずに済んだというのもある。これはうちにとってはベストな環境だったんじゃないかなあと感謝している。

 

 

そして、今日、告知をしたわけだけども。

 

どこから話をしようかと考えて、これからの進路とドラクエの話からすることにした。

 

 

例えば。

ドラクエを始める時、まずはどこかの町や村へ行かねばならない。

周囲には1・2・3という場所がある。

歩いて行ける場所、馬車がいる場所、海を渡らなければいけない場所。

 

この時、まず、何をするか?

自分のHP、MP、所持金、装備している武具や防具、道具を見るわな。これ基本。

で、行けそうな場所を見る。途中にはモンスターが出る。

スライムからケモノ系やゾンビ系やらいる。それを倒して、行き着けるかどうかも考慮して向かうよな。

 

で。

今、息子はテレレッテテー♪と旅立ちの朝を迎えました。

いろいろ情報も仕入れて、村を出るんやけども、自分の装備把握できてる?

 

進路希望で、適当に近い学校を考えてるみたいやけども、そこに行ける装備持ってると思う?

 

っていう話を、今日これからするんやけどさー。

ちなみにアンタ、今自分のレベルどれくらいだと思ってんの?

 

と聞いたら、「鋼の剣、鉄の鎧、くらいはあると思う。」という。

いや、母的には今のアンタ「木のこん棒と皮の服くらいですよ」と(実際、模試の偏差値はその程度)現実を話した。

ただし所持金(進学に使えるお金は一応ある)と、のびしろがあると考えていること、得意な技もあるという話もした。

 

そしてここから、まず自分の得意なこと、できる自信のあることを洗い出そうやと話して、メモ書き程度に箇条書きさせた。

(ちなみにこういう話をする時は、うちでは必ずメモ用紙を置いて、落書きのようなイラストや、キーワードを書いて見せて、書かせて話す)

 

自分では1つしか出てこない自分の良い点、だったけども、私が

「でもこういうとこもあるよね?」と言うと、

「あーうんまあ確かに。でもそれって当たり前じゃない?」とか言うので、

「いや案外そうでもない」

とか、グチャグチャ話しながら話した。

 

そうしていくつかそういう得意な事が出てきた所で、買って置いてあった

www.amazon.co.jp

 

この本を持ってきた。

まだ障害名を出して話してない段階で、表紙に「アスペルガー」と書かれた本を見せるのには少し迷いはあったんだけども。

 

当たり前だけども「その本、何?」と聞かれたので、

「えーとこの本には発達障害について書かれていてな、ちょっと面白いので紹介したいんだけど。

ところで、発達障害って知ってる?」と逆質問すると

「ああ、少し?道徳の時間やったかな、習ったことある。えーと拘りがあったりする

人のことやろ?」

という、大変あっさい返答。まあでもこんなもんよなあと思いつつ、本の最初のさわりの『発達障害の人の割合』について話した。

 

そして『1%』についてどう思うか聞いてみた。「多いと思う?少ないと思う?」と。

 

すると息子は、「多いと思う」と答えた。なぜかと聞くと、

「100人いて1人と言うと少ないように感じるけど、日本の人口が1200万人だと

したら、12万人。12万人といえば多い人数と思う。」

「99%が違うと聞けば1%は少なく思うけど、1%はそうだと言われたら、おうそうかと思う。99%助からないと言うか、1%助かると言うかで感じ方は違うやろ」と。

 

これには苦笑。

 

まあこれなら良いかと思って、<雑な判断

「えーとそんな発達障害、実はアンタもそうです」(内心ジャジャーンと効果音入れてまう)

「あ、え、そうなん?あーでも大体知ってた」

 

逆にびっくり。

「は?え?なんで?知ってた?」

「あーうん、母ちゃん前に『発達が気になるから病院に行ってる』って言うてたやん。

 それで発達障害の話聞いた時に、そうなのかなーとは思ってた。」

「え?なんでそれもっと深く聞いてこおへんかったの今まで?」

 

え?だって聞いたら面倒くさそうやから?

「障害ってゆうてもなー、あー障害?そうなんやあーって」(己の事ですよ?)

 

私が。

17年くらい悩んで。

決意して話したらコレ。「面倒くさそう(だから深く聞かない)」

もう色々と ♪ダヨネーダヨネー♪って踊りたくなる。

そういう選択肢もありましたか!そうきたか!

 

 

それでも気を取り直して、本題に戻る。

今、これから進路を考えるにあたって、この面倒に思われる「自分のこと」を知らないと、次の村や町に行けないので、話をしますよと。

 

で、先の本を開き、定型発達タイプと非定型発達タイプというのがあって、アンタはこの非定型のタイプよりなので、その特徴を読み上げるよと。

 

そして1つずつ上げていくと

なにその本こわい!

めっちゃオレ当たってるんですけど!www」

 

いや、だからアンタこのタイプだって話してるじゃんw!でも、私もこの本読んだ時

「なにこれ私のこと、誰か書いてるww!」とめっちゃウケたので、やっぱり親子。

 

そしてそこから、

「あーこれは当たってる、これは違うなー。あ、でも前、こういうことがあった」

「そうそう、そういうとこ苦手ー」

と話し続けて、ある程度のとこまで来たので、あとは自分で読んでみてーと渡した。

 

 

そしてここから。

「と、まあ。こういう得意なとこもあって、苦手なとこもある。

 発達障害のない人たちは、わりかしその得意不得意の差が少なく、バランスの取れた

 キャラクターなんだけども、うちらは魔術系、騎士系、スナイパー系と得意不得意が

 かなりあるのな。なので弱点もかなりある。それを知って、得意な道を進まないとすぐ死ぬ。

今回この話をしたのは、進路を探して、決めるにあたって、そういう得意キャラを活かす道の情報を得ないといけないから。

それと、発達障害に関して最近は支援を行ってる学校もあると聞く。けど、それを学校の進路指導科で聞くためには、アンタ自身で自分がそうと知らんとそっち方面の情報を聞けない。

で、私も情報を集めるんだけど、むやみやたらと『アンタはこの学校に行け!』って言い方ではもう納得できんでしょ?

 

なので、今回、アンタの基本設定と、今の装備、HPMPの確認のつもりでこの話をすることにした。」

 

と言うと。

一応自分なりに色々合点がいったようで、ふんふん頷いて。

「じゃあ、とりあえず俺がやらなあかん事は、情報を聞いてみたり、自分がどれくらいの装備があるかやなあ。この本も読んでみるわ。

 うん、なんか進路でやる事がわかったからスッキリした。」て。

 

 

 

まだ、これから発達の凸凹について、特性について知っておいて欲しいネガティブな面もあるけど、今それはまだ話さなくてもいいかと置いておくことにした。

 

告知して何かが変わるわけじゃなくて、これが話の始まりよなあと話した後、今になって当たり前のことなのに改めて思ってる。

 

本人は「俺も進路について色々考えるわ!」といったその後から、

「よし!ほな、俺ちょっと友達と約束したから、遊びに行ってくるわ〜進路?帰ってきてからなー♪」

と出かけてしまった。

 

…日常は強いなあ。